ならしのしぎかい たかはしまさあき
習志野市の町会・自治会等活動のデジタル化はまだまだ途上というのが現状です。電子回覧板の導入や役員間のオンライン連絡網の構築、市役所と町会の情報のデジタル化による迅速化など、これから取り組むべき課題は多いです。東習志野地区では令和5年度に全8町会がホームページを運営できるようになりましたが、他地区の町会・自治会ではまだ準備中またはホームページが存在しない状況です。若い世代に町会・自治会等活動への興味を持ってもらい参加を促すためにも、デジタル化は必須です。
令和6年第1回定例会
【高橋正明質問】
デジタル化が進む現代では、町会・自治会等活動もその影響を受けています。町会・自治会等活動を活性化するためのデジタル化の方法は、いくつか存在します。一つ目は、電子メールやSNSを利用して、会員間のコミュニケーションを活発化させることです。これにより、情報共有が容易になり、活動の計画や実施もスムーズに進行します。この手段としては、LINE(ライン)が代表的です。二つ目は、町会・自治会等専用のウェブサイトやアプリを使用することです。これにより、情報発信や会員間のコミュニケーション、イベントのスケジュール管理など、様々な活動を一元化することが可能となります。具体的には、電子回覧板の利用が挙げられます。さらに、Zoom(ズーム)やSkype(スカイプ)などのオンライン会議ツールを使用して、
会議を行うことも有効です。時間や場所を問わず、会議が可能となり、より多くの会員の参加を、促すことができます。これらのデジタル・ツールを効果的に活用するためには、会員へのデジタル・ツールの使い方やデジタル・セキュリティについての講習会が必要となります。全会員が、デジタル化に対応できるようになると、町会・自治会等活動はより効率的で、広範囲にわたるものとなり、活性化を図ることが可能となります。
デジタル化の一環として、東習志野地区にある全8町会はそれぞれの、ホームページを立ち上げました。ホームページは、まだ、シンプルなものですが、今後は定期的に更新を行い、情報発信を続けていく予定です。ホームページの更新は、基本的には、各町会が行います。しかし、それができない町会については、製作者が更新も、担当しています。ホームページの更新を町会自身が引き継いで行っている町会は、東習志野3丁目町会と東習志野5丁目町会、そして、東習志野東町会があります。東習志野3丁目町会の更新は、73歳の方が、東習志野5丁目町会の更新は、87歳の方が、それぞれ担当をしています。デジタル化の推進は、町会・自治会等活動において、とても、重要ですが、現状では、まだ、十分に進んでいないのが、実情です。
そこで、習志野市の、町会・自治会等活動におけるデジタル化の取り組みについて、令和5年度での実績や成果、そして、令和6年度の計画や予定について、進捗状況を、お伺い致します。
電子回覧板は、町会・自治会等での情報を手軽に共有することができる手段として、近年では、全国の複数の町会・自治会等で試験的実証運用が行われており、効果的なツールになると認識しております。このことから、本市においても、令和5年7月から、スマートフォン等を用いて情報共有ができるグループコミュニケーションアプリの講座をこれまで7回開催し、延べ74人の方々に参加をいただきました。また、要望に応じて、個別に各町会・自治会等に赴き説明会を実施し、参加された多くの方々に、デジタル化について、興味を持っていただいております。さらに、令和5年10月からは、本市から送付した回覧文書等を電子データでの閲覧や回覧等にご活用いただけるよう、ホームページにも掲載し、令和6年1月末までに360件の閲覧をいただいております。
これらの取り組みにより、徐々にではありますが、町会・自治会等のデジタル化への取り組みを進めてきているところであります。今後も引き続き、町会・自治会等のデジタル化に向け、最新情報の収集と併せ、本市で取り組みが可能な事例について、研究、検討を進めてまいります。
読売新聞、5年6月23日配信
総務省は、役員の担い手不足や加入率低下に悩む自治会の活動を活性化させるため、SNSを用いたデジタル化の実証実験を今月から始めた。回覧板による情報共有をSNSに変更して業務を効率化するほか、意見交換できる場としても活用し、若者世代の参加を促す狙いがある。来年度以降、全国の自治会に広げることを目指す。
実証実験は小田急電鉄が開発した自治会向けのSNS「いちのいち」を活用し、今年度末まで行う。自治会単位でつくるグループへの参加には運営者の承認が必要で、参加者による情報共有や意見交換に加え、災害時の安否確認への利用も想定している。
実証実験の対象となるのは全国10市町の50自治会で、希望した北海道美深町、千葉市、千葉県流山市、静岡県小山町、愛知県北名古屋市、大阪府河内長野市、岡山市、福岡県筑後市、長崎市、沖縄県浦添市。
全国各地にある自治会は、これまで地元自治体からの連絡事項の住民への周知や、高齢者・子どもの見守りなど、地域社会の核としての役割を果たしてきた。
しかし、近年は深刻な担い手不足に直面している。自治会を運営する役員らの高齢化や固定化が進むことで活動量が低下し、地域住民の関係が希薄化しているとの指摘もある。
総務省が2021年度に実施した調査によると、自治会は全国に21年4月時点で約29万あった。600市区町村を対象に加入率を調査したところ、20年度は71・7%で、10年度から約6ポイント下がった。自治会でのメールやアプリなどの活用に関しては、全市区町村のうち75・1%が「該当なし」と回答した。
総務省は、自治会のデジタル化を後押しして若者世代の参加を促進し、加入率の低下に歯止めをかけたい考えだ。全国展開を目指し、実証実験を通じてSNSに不慣れな高齢者が気軽に利用できるよう対応策も検討する。
令和3年第2回定例会
【高橋正明質問】
町会・自治会等活動のデジタル化について、お伺い致します。町会・自治会等活動のデジタル化を進めるには、若い方の力が必要となります。ズームなどを利用した、オンラインの会議や飲み会、グループラインを使った連絡事項の共有など、若い人には当たり前の事でも、高齢の方には、それをする事が出来ません。現在、町会・自治会等で中心的な活動をされている役員の方々のほとんどは、高齢の方で、若い方の積極的な参加は、とても少ないのが現状です。町会・自治会等活動のデジタル化は、若い方が活動に参加する事が多ければ多い程、飛躍的に発展すると思われます。しかし、若い方の町会への積極的な参加は、毎年、少なくなっていて、中には、町会や自治会に加入されていない方も近年、多くなっています。
少し古い資料になりますが、平成19年に行われた、横浜市市民アンケートで、町会に参加しない理由について尋ねた所、「加入するきっかけがない」「加入しなくても日常生活に支障がない」「加入の仕方がわからない」「町会・自治会が、何を行っている組織なのかわからない」「仕事や子育て、介護等で忙しくて時間がない」などの理由が挙げられました。また、シニア層と若年層との考え方の違いも深刻です。たとえば、災害時の考え方についても、シニア層では、普段から自然災害に備えて、地域で対応をする必要がある、と考えているのに対して、若年層では、 自然災害は、発生する確率も低いので、その時対応すれば良いと考えており、防災訓練などの参加も、少ない傾向にあります。また、「地縁」いわゆる地域の結びつきは、シニア層では、日常的で根本的なものである、と考えるのに対して、若年層では、ネット空間での縁が主体となり、「地縁」は、災害などの特殊事態の時にだけでよい、と考える方が、多い様に思われます。特に、共働きの多い若い世代は、「回覧板」が至急で回ってきても、平日は不在が多く、対応する事が出来ないため、近所に迷惑がかかってしまうと、思われている方も多くおります。これからは、若い世代が興味を持ってくれる様な、電子回覧板や町会のホームページの作成、電子メールの活用など、新しい町会・自治会等活動の運営が必要になっていきます。
町会・自治会等活動のデジタル化には若い世代の協力が欠かせませんし、また、費用もかかります。町会や自治会が単独で、新たにデジタル化を進めていくのはとても大変です。新しくデジタル庁も出来る事ですし、習志野市としては、町会・自治会等活動のデジタル化についてどの様に考えているのか、お伺い致します。
近年、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、町会・自治会等の活動をはじめとする地域活動の停滞をもたらし続けており、一刻も早い地域活動の再開が望まれております。町会・自治会等活動のデジタル化、例えば、町会ホームページの運用や電子回覧板の活用、メール配信などは、共有すべき情報を即時に伝達できることにより、町会・自治会等の活動の活性化、役員等の負担軽減などにつながる手法の一つとして有効であると考えます。一方、本市では、町会・自治会等の変更に関する届け出について、「ちば電子申請サービス」による手続きを導入しておりますが、郵送及びFAXによる届け出が約7割を占めております。町会・自治会等活動のデジタル化のあり方については、インターネットやスマートフォンなど、デジタル情報機器を使用できる環境にない方、使うことができない方などがいらっしゃることも考慮し、紙媒体など従来のアナログ手法も含めての検討が必要と考えております。